「桂林」は、中国を代表する国際観光都市で、水墨画のような美しい景色が有名です。
そんな桂林が、ベトナムにもあるのをご存知でしょうか?
そう、そうです!あのハロン湾です!
ベトナム北部にあるハロン湾は、1994年にユネスコから世界自然遺産に登録され「海の桂林」と呼ばれています。
今回は、このハロン湾・海の桂林の魅力や見どころ、行き方などをご紹介します。
もくじ
1 ハロン湾・海の桂林の魅力
ハロン湾・海の桂林は、ベトナム北部トンキン湾北に位置します。
ハロン湾には、大きいものから小さいものまで合わせて3000もの岩や島があります。
深い緑色をしたとても美しい湾で、闘鶏岩に代表されるような大きな岩の荘厳な眺めが中国の桂林に似ていることから、「海の桂林」と呼ばれています。ベトナムの紙幣の一つ20万ドン札にも、この海の桂林の一部が描かれています。
ハロン湾では、この海の桂林を訪れるためのクルーズツアーが数多く出ており、世界じゅうの観光客に人気のスポットとなっています。
日中はその水墨画のような風景や、漁村の人々の生活、そして鍾乳洞の探検を楽しむことが出来ます。
そして、世界遺産の中での夕暮れや、美しい夜空を船の上から堪能することが出来るのが、海の桂林の魅力です。
2 ハロン湾・海の桂林までの行き方
2.1 日本からベトナムまで
日本からベトナムまでは直行便が出ているので、海外旅行初心者の方でも行きやすいです。
日本からは、ベトナムのホーチミン空港、ハノイ空港、ダナン空港まで直行便が出ており、ハロン湾に行くには、まずハノイ空港まで行く必要があります。
<日本の各空港からベトナム・ハノイ空港(ノイバイ国際空港)までの所要時間>
成田空港→ハノイ(約6時間半)
羽田空港→ハノイ(約5時間半)
関西国際空港→ハノイ(約5時間)
中部国際空港→ハノイ(約5時間半)
福岡国際空港→ハノイ(約4時間半)
航空券価格: 往復4~30万円程(時期、航空会社による)
ベトジェット等の格安航空会社を利用すると、かなりお手頃な価格でベトナムまで行くことが出来ます。
2.2 ハノイ空港からハノイ市内まで
ハノイ空港(ノイバイ国際空港)に到着したら、ハノイ市内へ向かいましょう。
ハノイ市内へ行く方法としてはタクシー、乗り合いバス、バスなどの手段があります。
2.2.1 タクシー
タクシーは目的地まで行くには便利な手段ではありますが、観光客だとわかるとぼったくりに遭う可能性が高いです。
ベトナムのタクシードライバーは、カンボジアやラオスなど周辺の国に比べるとかなり強気だといわれています。
ベトナムのタクシーを乗りこなすには強い気持ちや経験が必要になってくるかもしれません。
タクシーでハノイ市内へ行く場合の相場は、30~50万ドン(1400~2300円)程です。
2.2.2 乗り合いバス
乗り合いバスはタクシーよりは少し安いですが、人数が揃わないと発車しないという難点があります。
時間が読めないところが難しいところです。
2.2.3 バス
ハノイ空港(ノイバイ国際空港)からハノイ市内まで一番おすすめなのが、バスを使う方法です。
ハノイ空港のA1出口から外に出て、86番のバス停まで行き、オレンジ色の86番バスに乗ります。
バスで席に座ると車掌さんがバスの料金を回収しに来ますので、3万5000ドン(約160円)を支払い、領収書を受け取ります。領収書は念のため捨てずにキープしておきましょう。
時々、車掌さんが料金を回収したことを忘れて、もう一度、回収に来てしまうことがあるそうです。
ハノイ市内までは道路状況にもよりますが40~60分程で到着します。
2.3 ハノイ市内からハロン湾まで
ハロン湾に行くには、バイチャイという街まで行きます。
ハノイ市内からは、以下の3か所からバイチャイまでバスが出ています。
・ルオンイエン・バスターミナル
・ザーラム・バスターミナル
・ミーディン・バスターミナル
ハノイ市内で泊まるホテルの近くのバスターミナルから乗るといいでしょう。ホテルの受付に、どこのバスターミナルが近いかを尋ねれば教えてくれるはずです。
また、ホテル専属のタクシーなどにお願いすれば、安心してバスターミナルに行くことが出来ます。
どこのバスターミナルからもだいたい4時間ほどで、バイチャイに到着します。料金は8~12万ドン(380~570円)程です。
バイチャイバスターミナルに到着したら、トゥアンチャウ船着場を目指します。バイチャイバスターミナルには、タクシーやバイクタクシーのドライバーが客待ちをしていますので、「トゥアンチャウ」と言って値段交渉をします。
<バイチャイバスターミナルからトゥアンチャウまでの値段相場>
バイクタクシー:8万ドン(370円程)以下
タクシー:10万ドン(470円程)以下
もし10万ドン以上を言われたら、強気で交渉してみましょう。トゥアンチャウ船着場からハロン湾・海の桂林のクルーズが出ています。
3 ハロン湾・海の桂林のツアー
3.1 ツアーの予約方法
もし、値段交渉や個人でのバス移動などが不安に感じる場合は、ハロン湾のツアーを予約して行くと安心です。
旅行事前のツアー予約も可能ですし、ハノイ市内にも様々なツアー会社があります。
1番に簡単なのは、宿泊先のホテルでツアーを予約すれば、タクシーやバスなど、各チケットの支払いやルートも安心です。
3.2 おすすめ!海の桂林クルーズ
ハロン湾は、1994年にユネスコ世界遺産に登録された海の桂林とも呼ばれる水墨画のような景色がその見どころとなっています。
季節、太陽の位置、天候によって様々な顔を見せる海の桂林は、クルーズで巡ることをおすすめします。
海の桂林クルーズには、様々な種類があります。期間もハノイ市内から日帰りで行けるものもあれば、一泊二日などのコースもあります。
<日帰りの場合>
朝8時頃にハノイ市内を出発し、夜8時頃に戻るパターンが多いです。
料金:70~78万ドン(3260~3650円程)
クルーズの見どころ:
・遠くからの漁村見学
・闘鶏岩
・ゴリラ岩
・鍾乳洞探検
・香炉島
など
ツアー内容によって変わりますが、以上のポイントを3~4時間かけて船で巡ります。
ベトナムの20万ドン紙幣の裏に印刷されている岩もこの海の桂林の中にあるので、どの岩なのか?ぜひ見つけてみてください!
<一泊二日の場合>
クルーズ船で一泊するツアーです。日帰りツアーではハロン湾・海の桂林のごく一部しか見ることが出来ません。
ツアーの殆どが移動時間になってしまうため、現地でツアーガイドなどの仕事をされている方は、この一泊二日コースをおすすめしていることが多いです。
料金:200~300万ドン(9300~14000円程)
クルーズの見どころ:
・小舟に乗り替えての漁村散策。水上で暮らす人々の生活を身近に感じられます。
・ゴリラ岩
・鍾乳洞探検(奥の方まで見ることが出来ます)
・クルーズ船から見る夜の星空、朝日
・カヤックに乗れるアクティビティ
・ハロン湾でスイミング
・クルーズ船のデッキでベトナム式太極拳の体験
など
こちらもツアー内容によって変わりますが、クルーズ船上でベトナム料理が学べるクッキング教室など、個性的なアクティビティが含まれるクルーズもあります。
クルーズ船で一泊するからこそ見られる、海の桂林の真ん中で見られる世界遺産の中での星空や朝日は、言葉には表わせない壮大さです。海の桂林で夕日を臨みながら食べる、クルーズ船での食事も格別です。
また、ハロン湾は天気が変わりやすい場所でもありますので、一泊二日では心配な場合は二泊三日のコースを選ぶことも出来ます。
3.3 ハロン湾・海の桂林で鍾乳洞探検!
ハロン湾・海の桂林クルーズツアーにおいて、1番人気の見どころとなっているのが鍾乳洞の探検です。
鍾乳洞はティエンクンと呼ばれており、ハロン湾の島に浮かぶ島の一つ、ダウゴー島にあります。
数千年にわたって成長したつららのような鍾乳石が色鮮やかにライトアップされており、幻想的な世界に入り浸ることが出来ます。天井に穴が開いている場所があり、そこから光が差し込むとさらに神秘的な気持ちになれます。
この鍾乳洞探検にかかる時間はツアーにもよりますがおよそ30分~1時間程です。足元が暗く、岩でゴツゴツとしている場所もあるので、慎重にゆっくり、そしてじっくり探検してみましょう。
4 ハロン湾・海の桂林での宿泊施設
ハロン湾に浮かぶクルーズ船には様々な種類があり、中には豪華客船も存在します。
スパやプライベートバルコニー、シャワーや食事、こだわりの食材を用いた料理など、それぞれの船に豪華な個性があり、どんなクルーズに乗るか迷ってしまうのも、ハロン湾・海の桂林のクルーズツアーの醍醐味です。
ハロン湾では、ぜひ豪華ホテル顔負けのクルーズ船で宿泊してみましょう。
4.1 クルーズ船の種類
4.1.1 バーヤ号
個性的な見た目が特徴です。
この船の自慢は食事で、ベトナム料理・西洋料理の両方が用意されており、誰の口にでも合うお味になっています。
4.1.2 アウコー号
ハロン湾で初めて、二泊三日のクルーズツアーに対応した船です。ラグジュアリーでエレガントな雰囲気かつ、ジャグジーやスパなどの施設も充実しています。
4.1.3 シグニチャー号
2013年末に就航したばかりの新しい船です。なんと前室がスウィートルームで、心癒されるおもてなしを受けることが出来ます。
4.1.3 バイトー号
ハロン湾で初めてナイトクルーズを実施した船です。小ぶりでとても可愛らしい船です。
4.1.4 パラダイス・ラグジュアリー号
この船のおすすめはバルコニー付きのお部屋です。
アルコールの特典もあるので、自分の部屋のバルコニーでお酒を楽しみながら、海の桂林を堪能することが出来ます。
4.1.5 エメラルド号
この船の名に恥じない、豪華客船です。洗練された最高の施設を堪能しながら海の桂林を満喫できます。
どの船にもそれぞれの個性があり、どの船に宿泊するか迷ってしまう場合は、それぞれの船が用意している個性的なアクティビティで決めるのもおすすめです。
ホテルのように、ドライヤーやタオルなどのアメニティも充実していますが、詳細が気になる方は各クルーズ船のホームページを載せておきますのでご参照下さい。
4.2 ハノイ市内でおすすめのホテル
ハロン湾・海の桂林観光に日帰りで行かれる場合は、ハノイ市内のホテルに宿泊しましょう。
ハノイ市内にはたくさんのホテルがありますが、その中からおすすめのホテルをご紹介します。
4.2.1 マーキュリー セントラル ホテル ハノイ
2013年にオープンした比較的新しいホテルです。星は3つながらゆったりとした部屋の作りで、家族連れ、仲良しグループでの旅行にピッタリです。
観光スポットであるハノイ大教会や、お買い物に便利なスーパーマーケットも近い、とても好立地にあるホテルです。
4.2.2 ハノイ ブリリアント ホテル アンド スパ
このホテルは女性でも安心して泊まれるホテルとして人気があります。
明るい雰囲気の内装に、ビュッフェ形式での朝ごはんではベトナムの代表料理であるフォーも楽しむことが出来ます。
口コミで大変評価が高く、表彰も受けています。
4.2.3 アプリコット ホテル
こちらは星5つのホテルです。
ハノイ市内ではこのような高級ホテルは観光地から離れた場所にあることが多いのですが、このホテルは徒歩でも観光スポットに行ける好立地にあります。
屋上にはプールがあり、ハノイ市内を一望することが出来ます。
ハノイはベトナムの首都ですが、世界でも有数の安くて良いホテルに泊まれるエリアでもあります。
星3つとなっているホテルでも、それ以上のホスピタリティーを感じることが出来ます。
ホアンキエム湖周辺・ハノイ旧市街周辺でホテルを探すと観光やショッピングにも行きやすく便利です。
5 ハロン湾・海の桂林の気候
ハロン湾・海の桂林があるベトナムは東南アジアに属し、その周辺の国々と同様に気温は年じゅう暖かで、雨季と乾季に分けることが出来ます。
しかし、ハロン湾は気候が変わりやすい場所となっており、霧などにも注意が必要です。
<乾季>
11月~4月は乾季になります。
乾季は雨が降らないのが一般的ですが、ハロン湾では霧雨が降ることもあり、また気温がぐっと下がることも少なくありません。
寒い時には10度を下回ってしまうこともあるので、暖か目の防寒着は必ず持って行きましょう。
また視界が悪くなってしまう日もあるため、ハロン湾各地での探検の際は、無茶をせず、十分に安全に注意をして行動しましょう。
11月~3月は、肌寒くはありますが晴天の日が多く、海の桂林では最高のシャッターチャンスを狙えるシーズンと言われています。
<雨季>
5月~10月は雨季となり、スコールが降る日が多くなります。日中は30度を超える日が殆どで、かなり暑くなります。
この時期にハロン湾に行かれる際には、熱中症対策をして行きましょう。東南アジアらしい気候になるため、ハロン湾でのスイミングを楽しみたい方は、6月?8月に行かれることをおすすめします。
逆に、9月~10月は台風が多く、クルーズ船が欠航になってしまうこともあります。海の桂林を楽しむには、9月~10月は避けたほうが無難です。
どちらの季節に行かれる場合も、鍾乳洞探検がツアーに申し込まれる方には運動靴、長ズボンの着用をおすすめします。怪我をしにくい服装で、安全に楽しく海の桂林を堪能しましょう。
6 ハロン湾・海の桂林のお土産
ハロン湾の近くには、ハロン市場という大きな市場があり、日用品から電化製品、そしてお土産まで、ありとあらゆるものが売っています。
旅の思い出におすすめのお土産をご紹介します。
<ベトナムコーヒー>
ベトナムコーヒーは、その独特の甘い香りがベトナムを思い出させます。コーヒーの粉に砂糖が加わったもの、ミルクが加わったもの、さらにはコラーゲンが加わったものまであり、インスタントなのでたくさんの方にお土産で配りやすくなっています。
<インスタント麺>
フォーをはじめとした美味しくて個性のあるベトナム料理ですが、インスタント麺でもベトナムの味を楽しむことが出来ます。
1袋20円程とかなりお手頃価格なのと、たくさんの種類がありながらどれも外れが無いといわれており、大量にまとめ買いするのもおすすめです。
<オーガニック石鹸>
南国ベトナムらしい香りに包まれた石鹸も、大人気のお土産です。特におすすめなのは、ココナッツの石鹸です。
日本では少し値がはるココナッツ製品ですが、南国ベトナムではこちらもお手頃価格。ココナッツ石鹸であれば一つ200円程から購入することができるので、特に女性へのお土産にはぴったりです。
ハロン市場では、ハロン湾・海の桂林の近くならではの海の幸(魚、魚介類)もたくさん売られています。それらを売りさばく活気あるハロン市場を、のんびり見て回るのも旅の良い思い出になること間違いなしです。
また、クルーズ船上にもお土産売りが来る場合もありますが、その場合はやや値段が高くなっていることが多いので、それを踏まえてお土産を買う場所を選びましょう。
7 ハロン湾・海の桂林のまとめ
海の桂林と呼ばれるハロン湾の旅では、東南アジアの熱気から荘厳な自然の景色、そして探検気分やラグジュアリーなクルーズ船での優雅な時間、さらにはベトナム料理から高級食材まで、一つの旅で様々な魅力を体験することが出来ます。
ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか!