東南アジアをはじめとした国々を旅したことがある方は、現地でタクシードライバー・トゥクトゥクドライバーとの値段交渉や、行き先を伝えるコミュニケーションに苦労した経験がある方も多いかと思います。
また、初めて海外旅行に行かれる方は、タクシードライバー、トゥクトゥクドライバーとの値段交渉、コミュニケーションにも不安を感じますよね。
Grabとは、そんな苦労や不安を軽減してくれるタクシー配車アプリです。今回は、このGrabを利用してベトナム旅行を快適にする方法をご紹介致します。
もくじ
1 東南アジアでの移動に欠かせないGrabとは?
Grabは、タイ、シンガポール、マレーシア、ベトナムなどの東南アジアで圧倒的なシェアを誇る配車アプリです。
東南アジアでは、首都であれまだまだ日本のように公共の交通機関(バス、電車など)が発達していない場所も多く、そのような地域ではタクシーやバイク、トゥクトゥクなどを利用して移動します。
しかし、タクシー、バイク、トゥクトゥクなどで移動をする場合、行き先を告げたり値段の交渉が必要だったりと、特に現地の言葉がわからない旅行者には不便なことも多いのが事実です。
例えば、「○○レストランに行きたい」とドライバーに告げても、ドライバーがその発音を聞き取れなかったり、その場所を知らなかったりすると行くことが出来ません。
もっと困るのは、“東南アジアあるある”の一つですが、ドライバーが行き先がわからなくても、お金欲しさに出発してしまい、目的地に辿り着けない、というケースもよくあります。
値段交渉も、大抵の場合、特に日本人の旅行者はお金を持っている、お人好し、と思われがちなので、大きく料金をふっかけられてしまいます。
そんな事があると、せっかくの旅もちょっと嫌な気持ちになってしまいますよね。
Grabアプリはそんな東南アジア旅の問題を解消してくれると言っても過言ではない、とても便利な配車アプリです。
2 Grabアプリのダウンロード方法
Grabアプリは、スマホがあれば簡単にダウンロードすることが出来ます。
・iPhone→App Store
・その他のスマホ→Google Play
それぞれ、「Grab」と検索すればすぐに見つかります。
また、こちらの公式HPのGRコードからですと直接ダウンロード画面に移動できます。
日本から旅行に行かれる方は、日本にいるうちにWi-fi環境下でダウンロードしておき、ユーザー登録をしておくことをおすすめします。
ユーザー登録は、FacebookアカウントやGoogleアカウントからの登録もできますし、電話番号で登録することも出来ます。(電話番号でユーザー登録する際は、本人確認で数字が入ったショートメッセージが送られてきますので、その送られてきた数字をGrabアプリに入力します。)
もし、現地でGrabアプリをダウンロードする際は、空港やホテル、カフェなどのフリーWi-fiがある場所を利用しましょう。
3 Grab設定時の注意点(クレジットカードが登録できない!?)
Grabは実際に現地で利用された際に、現金で降車時に支払うことも出来ますが、あらかじめクレジットカードを登録しておくとさらに便利です。
このGrabユーザー登録時にクレジットカード情報を入力しておくことをおすすめします。
っが、
クレジットカード情報を登録できるのは、
Grabサービス提供範囲(東南アジアの回線(Free Wifiを含む)利用時のみ)のみ
となります。
言い換えると、日本でクレジットカード情報を登録しようとしてもできないんです(笑)
解決策は簡単で、ベトナムなどGrabの提供範囲の空港などについてからクレジットカード情報を登録すればいいのです。
4 ベトナムでGrabを利用できる通信環境
普通に携帯の電波が使える状態であれば何も問題はありません。
なので、フリーのWifi環境でも使えることは使えますが、個人的にはフリーのWifi環境はセキュリティ面で不安があるため、SIMカードを使った通信環境を強くおすすめします。
ちなみにベトナムのSIMカードは値段が安いので、「ギリギリの旅費で計画してます!」という方以外は、ベトナムのSIMカードを利用することをおすすめします。
SIMカードはベトナムの空港や街中の携帯電話ショップで購入することが可能ですが、初めて行かれる方には空港到着時の購入がおすすめです。
到着ゲートにいくつか携帯電話会社がSIMを販売している場所がありますので、そこでSIMを買えば店員さんが手際よくSIMを入れ替えて手続きをしてくれます。
SIM購入時にはパスポートが必ず必要になるのと、空港のSIM販売スタッフさんはSIM交換の手続きに慣れている人が多いのでスムーズです。言葉が話せなくても、どの種類のSIMにするかを指差して選ぶだけで済みます。
ベトナムのSIM一般的な料金はこんな感じです。(各携帯電話・通信キャリア会社による)
・20万ドン(930円程)→高速データ10GB&通話なし
・30万ドン(1400円程)→高速データ5GB&通話あり
・30万ドン(1400円程)→高速データ7GB&通話なし
・40万ドン(1860円程)→高速データ10GB&通話あり
2週間以内の一般的な旅行者であれば、20万ドンのコースで十分という方が殆どです。
下記の記事でもっと詳しくご紹介しているので、良かったら見て下さい♪
5 ベトナムでのGrabの使い方
5.1 Grabを使ってタクシーを呼ぶ
ベトナム国内でGrabアプリを起動したら、早速、タクシーを呼んでみましょう!
ちなみにベトナムでGrabを利用する場合には、以下の5種類をアプリ上で選ぶことが出来ます。
・Grab car (一般的なタクシー)
・Grab bike(バイクタクシー)
・Grab car 7人乗り(多めの人数で乗れる大型のタクシー)
・Grab bike プレミア(綺麗で大きめのバイク)
・Grab food (フード配達サービス)
このうち、一般的な旅行者が利用するのは、以下の2つ。
・Grab car (一般的なタクシー)
・Grab bike(バイクタクシー)
バイクタクシーは便利で安いものの、事故のリスクが大きくなります。これはベトナムに限ったことではありません。出来るだけバイクタクシーは利用せずに、一般的なタクシーの利用をおすすめします。
● Grabタクシー呼び出し手順
次に、タクシーの呼び出し手順をご紹介します。Grab起動時の画面は国によって違いますが使い方は同じになります。
この記事に載せた写真は、タイで起動した画面です。
手順1:carをタップする
手順2:自分がいる現在地を確認する
GPSで自身がいる現在地が自動的に表示されるので、場所を確認します。
他の場所に迎えに来て欲しい場合は、その場所の建物名を入力するか、マップ上にピンを立てて指定します。
手順3:目的地を入力する
手順2と同じように、行きたい場所の建物名を入力するか、マップ上でピンを立てて指定します。すると、タクシーの料金と予想移動時間が表示されます。
※建物名、場所名を入力しても名前が出てこない場合もあるので、その場合はマップ上にピンを立てて指定します
手順4:支払い方法を選ぶ
クレジットカード払いか、現金払いかを選択できます。
手順5:“Book”と書いてある場所をタップする
Grabアプリ上で、対応可能なタクシーを探してくれます。
タクシーが見つかると、スマホがブルッと鳴って「タクシーを見つけました!」という内容の英文が表示されます。
道路の交通状況や時間帯によっては、なかなかタクシーがつかまらなかったり、「ドライバーが忙しいです、また後でお試しください」というような英文が出てしまうこともあります。
その場合は、しばらく時間をおくか場所を変えるかして、再度試してみてください。
値段が高くなってしまいますが、急いでいる場合は、大型タイプのタクシーを呼ぶとすぐに捕まることもあります。
タクシーが無事に見つかると、以下の情報が表示されます。
・迎えに来てくれるタクシーの車種
・ドライバーの顔写真
・迎えに来るまでの所要時間
迎えに来てくれるタクシーが今どの辺りにいるのか?というのも地図上でわかるので、安心して待つことが出来ます(^^)/
5.2 Grabで呼んだタクシーに乗る
タクシーが指定のお迎えポイントに近づくと「間もなく着きます」という内容の英文が表示されます。
実際にお迎えポイントにタクシーが到着すると「着きました」という英文が表示されます。
車種、ドライバーさんの顔、指定した目的地の場所を確認して、タクシーに乗りましょう。
お迎えポイントに、利用者よりタクシーが先に着いてしまうと、タクシーが近辺を探し回ってしまう場合があります。
「もう着きましたが、お客様はどこにいますか?」と電話をしてきてくれるドライバーさんもいますが、英語が通じないドライバーさんもいます。出来るだけタクシーがお迎えポイントに近づいたら、その場所で待っていてあげる事をおすすめしますっ!
もし、電話がかかってきてもあまり不安にならずに冷静に対応しましょう。ドライバーさんもこちらを探しているだけなので、要はドライバーさんにこちらの位置を伝えてあげればいいだけなのです。
基本電話してくる時は、近くにきているので(アプリでもどこに来ているかは把握できます)、携帯で会話しているようにするか、下記の呪文を話して携帯を持ちながら手を振ってみましょう〜!
【Tôi ở đây(トイ・ア・ダイ):私はここにいます。】
または、ドライバーさんとGrabアプリ上でチャットもできるので、Google翻訳などを利用して、ベトナム語で「ちょっと待っていてください」「すぐに行きます」などとメッセージを送ってあげるのもいいですね!
5.3 Grabで呼んだタクシーを降りる(支払い方法)
目的地に着いたら、前後を確認してタクシーを降りましょう。
ベトナムをはじめとした東南アジアは、まだまだ交通マナーが悪い場所もあるので、タクシーの扉を開ける前に前後確認をおすすめします!
支払いは、あらかじめクレジットカード払いを選択しておけば、そのままお礼(Cảm ơn(カム・オン):ありがとう)を言って降りてしまって大丈夫です。
現金払いの場合は、Grabアプリ上に表示された金額をドライバーさんに支払いましょう。
ドライバーさんもGrabアプリで乗車料金がいくらか?というのを把握しているので、ここでぼったくられる心配が無いのがGrabアプリの便利な点でもあります。
でも、ここで一つ注意!
タクシードライバーさんは、お釣りを持っていない場合が多いです。到着地で両替してもらったり、結局少し多めに払ったりしなくてはならない事態になるため、Grabアプリ利用時に限らず、タクシー利用の際は、細かいお金を用意しておくようにしましょう。
その点を踏まえても、Grabタクシー利用時のクレジットカード払いはとても便利です。
5.4 Grabの予約キャンセル方法
待っても待ってもなかなかタクシーが来なかったり、予定が変更になったりしてGrabでの予約をキャンセルしたいケースもあると思います。
Grabタクシーは、キャンセルも簡単です!
画面上に「cancel(キャンセル)」ボタンがあるので、それをタップすると
「ドライバーはあなたの所に向かっています、キャンセルは残念です。それでもキャンセルしますか?」
という内容の英文が表示されますので、そのままキャンセルをタップすれば大丈夫です。
タクシーがお迎えポイントに到着する前までであれば、この手順でキャンセルできます。
Grabの予約キャンセルはとても簡単ですが、1日のうちに何度もキャンセルすると一定時間(国によって違いますが、一般的には24時間)Grabに乗車出来なくなってしまいますので、気をつけましょう。
また、乗車中に目的地が変更になった場合は、Grabアプリ上で変更することが出来ます。
「目的地変更」をタップすると、「ドライバーに目的地を変えることを伝えましたか?」という内容の英文が出ますので、ドライバーさんに目的地を変更する旨を伝え、新たな目的地をアプリ上で最初と同じ手順で設定すれば大丈夫です。
6 ベトナムでGrab利用する際の注意点
6.1 Grabを利用できない場所
基本的に、Grabはインターネット環境がないと利用することが出来ません。
また、ハノイやホーチミンをはじめとしたいわゆる都会では、インターネットさえあればどこでも利用することが可能ですが、田舎の方ではGrabに対応しているタクシーやバイクがいない地域が殆どですので気をつけましょう。
基本的に、Grabは現地の人も利用する移動手段なので、ある程度の人口が暮らしているエリアで利用する、と考えておけば間違いありません。
6.2 地図が読めないドライバーに注意
ベトナムは、東南アジアでも一般教育が遅れているカンボジアなどの国に比べるとだいぶマシではありますが、たまに地図が読めないドライバーさんもいるので注意しましょう。
例えば、Grabアプリ上では一般的なマップと同様、北が上、南が下になっています。南から目的地に北上する場合は大丈夫ですが、逆に南下する場合は地図を逆に読まないと行けません。
しかし、それが分からないというドライバーさんもいるので、まれに思い切り逆走してしまう人もいます…汗
念の為、Grabタクシーで移動中は、自分がちゃんと目的地に迎えているか?を時々アプリで確認するのをおすすめします。
あまりに地図が読めない場合は、途中でお金を払わずに降りてGrabアプリでクレームを入れるか、道がわかる場合、かつ、心に余裕がある場合は、ドライバーに道を教えてあげましょう。
6.3 悪質なドライバーに注意
Grabアプリでは、タクシー利用後にアプリでドライバーさんの評価をすることが出来ます。
それが東南アジアで数ある配車アプリでGrabのドライバーさんが比較的マナーが良く、利用率が高い理由であるとも言われています。
それでも、まだ稀に悪質なドライバーがいることも事実です。スピード出し過ぎの危険運転をしたり、飲酒をしていたり、降車の際にチップを要求してきたりするドライバーもいます。
もし、乗車中に危険を感じるようであれば、お金を払わず途中で降りてしまいましょう。Grabアプリでクレームを入れられます。
チップに関しても、払いたいと思うドライバーさんであれば払えば良いですが、Grabタクシーは一般的なメータータクシーよりやや高めの設定になっているので、基本的にチップを要求される筋合いはありません。
ドライバーさんと乗客として、平等の立場で臨みましょう。
6.4 乗り間違いに注意
観光地やショッピングモールの出入り口付近では、多くのGrabユーザーがタクシーを待っていることもあります。そのような場所で注意したいのが乗り間違いです。
違うGrabユーザーが呼んだタクシーに乗ってしまったり、逆に違うGrabユーザーが自分が呼んだタクシーに乗ってしまったり…。
タクシーに乗る前には必ず、ドライバーにスマホのGrabアプリを見せて、Grabユーザー名があっているか、ドライバー名があっているか、目的地があっているかを確認し合いましょう!
7 Grabを使ってベトナム旅行を楽しもう!まとめ
ベトナムは東南アジアでも成長の真っ只中にある国です。
Grabアプリもタクシーやバイクの個人配車システムだけではなく、最近では「Grabバス」というバスの座席予約もできるようになりました。
これまで時間がかかっていたタクシードライバーとの交渉がスムーズになった分、行きたい場所、やってみたい事に時間を注ぐことが出来ますね。
まだまだ進化を続けるGrabアプリを上手に利用して、ベトナム旅行を思い切り楽しみましょう!