国内旅行や海外旅行に限らず、既に日常生活でも普通に使っている「モバイルバッテリー」ですが、飛行機に乗る際には、この「モバイルバッテリー」の扱いに注意しなければなりません。
取り扱いを間違えると、最低でも”没収”、場合により”逮捕”…。
最悪他人も巻き込む事も…!
後で詳しく説明しますが、この記事でお伝えしたいことは3つ。
①受託手荷物(スーツケース)の中に入れて、カウンターで預け入れするのは完全NG!
②手荷物として機内持ち込みするのは、制限付きでOK!
実際、私はモバイルバッテリーを機内持ち込みし忘れたせいで、”ロストバゲージ”だけでなくモバイルバッテリーそのものも”没収”されました…。
旅行前に、もっと正しく理解しておけばと今でも後悔!
ということで、この記事では飛行機に乗る時の「モバイルバッテリーの持ち込み」に関してまとめました。
もくじ
1 モバイルバッテリーの取扱いに注意が必要な理由
「モバイルバッテリー」にはリチウムイオン電池が使われているのですが、電池の劣化や、過充電などが原因で、最悪の場合発火や爆発する恐れがあります。
近年ニュースなどでも、実際に自宅で発火したケースなどが取り上げられていますが、これがあなたの乗っている飛行機内で起こったら…っと、ここまでの説明だけで、取扱いに注意が必要な理由は嫌でも理解できた事でしょう…
勿論、これらの事象に対して規定が設けられていないなんて事もありません。
既に、国際民間航空機関(ICAO)の規定で取扱いが規定されているだけでなく、国や航空会社単位でも独自の制約を設けている事が殆どです。
この為、飛行機に乗る際に「モバイルバッテリー」の取扱いを間違えると、規定や法律違反扱いになり、冒頭でも書いた通り下手すると”逮捕”されるなんて事も…
(折角、楽しい気分で旅行に行ったのに、そんなことになったら目も当てられません…)
2 モバイルバッテリーを持って飛行機【国内線・国際線】に乗る場合どうすればいいか
「モバイルバッテリー」の取扱いが重要だという事は分かったけど、結局飛行機の中にあるのは同じではないか。っと思った方もいるかも知れません。
ですが、客室で(万が一)発生した場合であれば、客室乗務員や一般の乗客がいち早く気付き、大事になる前に即座に対応することができますが、貨物室(預け入れたスーツケース等が入っている場所)で(万が一)発生した場合、気づくのが遅くなり危険性が高くなってしまいます。
という事からも分かるように、
飛行機の貨物室に入るような荷物に「モバイルバッテリー」があるような状態はNG!
つまり私たちからすると、航空会社のカウンターで預け入れるスーツケース(※)内に入れておくのはNGです。
そのため「機内持ち込み」一択しかありません!
※航空会社で「受託手荷物」と表現されているもの
3 機内持ち込み出来るモバイルバッテリーの制限は?
3.1 モバイルバッテリーの容量制限
冒頭でも軽く述べましたが、国や航空会社によって容量/個数制限があるため、詳細については各航空会社のHPで確認する必要があります。
っが、まずはベースとなる基準みたいなものが存在するなら教えてよ。と思うのが人の性。
ありますよ。それは…
ワット数が『100Wh(ワット)以下』という制約です。
…そんな急に単位の話されても、どんな単位か覚えてないよ。。っという方も多いと多いのではないかと思います。(私も完全に忘れていました…)
そして、よく家電量販店で売っているモバイルバッテリーはリチウムイオン電池というものが使われており、表示は”mAh(ミリアンペアアワー)”です。。(単位違うじゃん!分からんよ!)
と言う事で、『100Wh(ワット)以下』を”mAh”の単位に合わせた場合の答え(リチウムイオン電池のモバイルバッテリーを買うと仮定した場合)を、これまた先に言うと、
『27,027mAh(ミリアンペアアワー)以下』(=『100Wh(ワット)以下』)
と覚えておいて下さい。
携帯電話向けの最大容量のもので『24,000mAh』(※)位ですので、基本的に家電量販店で買うモバイルバッテリーであれば機内持ち込み可能と認識しておいても問題なさそうです。
※この容量でも、結構大き目&重量感になります(特に女性には…)。
ちなみに、旅行に持っていくのであれば携帯を触る頻度にもよりますが、『10,000mAh』もあれば十分かと思います…2,3人で一台だけ持ち歩くとか、充電できなさそうな環境に行くとかじゃなければ、逆に重量感増えるので…
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3.2 モバイルバッテリーの持ち込み方
容量さえ守れば、すんなり機内持ち込みできるかと思いきや…
実は以下のような前提があるのです。
『ショートしないように個々に保護されていること』
『動かないように保護されていること』
『剥き出しになった金属端末部があればテープ等で保護しておく(金属部分が他の金属と接触しないようにする)こと』
ANAの場合、以下のような説明されています。
【短絡防止処置】
購入時の小売り容器に収納するか、あるいは端末を絶縁する(テープなどで剥き出しの端末を保護するか、別々のプラスチックの袋もしくは保護パウチに個々の電池を収納する)などの措置を行ってください。
【電池全般についてのお願い】
リチウム電池、リチウムイオン電池(バッテリー)以外の予備電池(ニッケル水素、ニッカド、アルカリマンガンなどの電池・バッテリー)についても、安全のため短絡防止措置のうえ機内へお持ち込みください。
最近のモバイルバッテリーであれば、金属部に蓋が付いているものが大半なので問題ありません。
4 機内持ち込み出来るモバイルバッテリーについてもう少し詳しく
4.1 モバイルバッテリーの上限の計算方法【国内線・国際線】(共通)
先ほど、『Wh(ワット)』という単位が出てきましたが、正確に言うと下記計算式で求められます。
Wh(ワット時定格量) = V(定格電圧)× Ah(定格定量)
リチウムイオン電池のモバイルバッテリーは『V(定格電圧)=3.7V』で固定で、『Ah(定格定量(所謂、電池容量))』だけ家電量販店で売っている単位(mAh)に合わせる(1000で割る)必要があるので下記で覚えておけば問題ありません。
Wh(ワット時定格量) = 3.7 × mAh(家電量販店で見る数字) ÷ 1000
例)よくある「5000mAh」の場合
18.5Wh = 3.7 × 5000mAh ÷ 1000
4.2 モバイルバッテリーと同じリチウムイオン電池を使った電子機器の扱い
モバイルバッテリーは「予備電池」というカテゴリーに分類されるのですが、同じリチウムイオン電池が使われているノートPCや携帯ゲームなどは「電子機器」というカテゴリーに分類されます。
そのため、扱い方も異なってくるため、条件次第によって国内線でスーツケースの中に入れて受託手荷物扱いにする事は可能ですが、各空港でのスーツケースの取扱い方を察するに無難に機内持ち込みする事をお勧めします。
5 モバイルバッテリーの各航空会社【国内線・国際線】の対応
冒頭でも述べた通り、各航空会社によりモバイルバッテリーの持ち込み規定は異なります。
下記の表を見て頂ければわかる通り、一部の航空会社(※)以外は、基本100Whをベースに考えれますが、諸々の諸条件も異なってくるため、国際線に乗る際には搭乗する航空会社の規定について、必ず確認して置きましょう。
※実際には、中国国際航空以外にも持ち込み制限が厳しい所もあります。
主要航空会社の提示するモバイルバッテリーの持ち込みに関する規定(2019/03/24時点)
ワット時定格量(Wh)帯域 | 機内持ち込み | 航空会社(国内線) | 航空会社(国際線) | 注釈 |
50Wh以下 | 8個まで | 中国国際航空 | ||
50Wh超~100Wh以下 | 2個まで | 中国国際航空 | ||
100Wh以下 | 制限なし | 日本航空(JAL) 全日本空輸(ANA) ソラシドエア AIRDO スターフライヤー バニラ・エア ピーチ・アビエーション ジェットスター・ジャパン |
アメリカン航空 ユナイテッド航空 デルタ航空 エールフランス航空 大韓航空(※) チャイナ・エアライン |
※:合計で5個まで |
2個まで | スカイマーク | ルフトハンザドイツ航空 | ||
100Wh超~160Wh以下 | 2個まで | 日本航空(JAL) 全日本空輸(ANA) ソラシドエア AIRDO スターフライヤー バニラ・エア ピーチ・アビエーション ジェットスター・ジャパン スカイマーク |
アメリカン航空 ユナイテッド航空 デルタ航空 エールフランス航空 大韓航空(※) チャイナ・エアライン(※1) 中国国際航空 |
※:合計で5個まで ※1:航空会社の許可が必要 |
用途により条件が異なる | ルフトハンザドイツ航空 | |||
160Wh超 | 持ち込み不可 | 日本航空(JAL) 全日本空輸(ANA) ソラシドエア AIRDO スターフライヤー バニラ・エア ピーチ・アビエーション ジェットスター・ジャパン スカイマーク |
ユナイテッド航空 デルタ航空 エールフランス航空 ルフトハンザドイツ航空 |
|
160Wh超~300Wh | 要問合せ | アメリカン航空 |
6 モバイルバッテリーを誤って預け入れしてしまった時の対処
人間ですから、うっかりスーツケースの中に入れっぱなしにしてしまったなんてこともあるでしょう。(私も普通にやりますが。。)
まずは、気づいた時点でスタッフの方に、荷物タグを見せながら預け入れてしまった旨を伝えましょう。
自分が早く気が付くか、保安係員さんやセキュリティチェックで引っかかるのが先かによりますが、自分の方が早く気が付いていれば、もう一度セキュリティーチェックを受けなおす程度で済みます。。
っが、恐ろしいのはやはり自分で気が付かなかった場合です。
物凄い低確率で、数多の検査を通過して無事に?現地到着する場合もあるのかも知れませんが、大抵の場合は以下のいずれかの対応(これも各航空会社によりけり)になります。
・館内放送にてお呼び出し。
「(ピンポンパンポーン)XXへご出発のXX様。お預かりしたお荷物についてご確認したい事がございます。至急XXまでお越しください。」
→普通に恥ずかしいです。
・館内放送にてお呼び出し&飛行機出発遅延
→上記に加えて、他のみんなに迷惑をかけるパターン。。。
・没収
→スーツケースを空けると、あらびっくり。綺麗にモバイルバッテリーだけが没収されています。(没収した旨の紙が入っていることもあるそうです。)
・ロストバゲージ
→真面目にいろいろ焦ります。要はモバイルバッテリーを取り除くためなんですが、飛行機が出発するまでに取り除く(没収)作業が完了できなかったために、スーツケースは飛行機に乗せませんでしたのケースですね。
ちなみに私はこれでした。。まだ帰国したタイミングだったので、ましだったものを、逆だったらと思うと…当然自分が悪いのは変わりないので、何も言えませんが。。。
と言う事で、私の二の舞にならないように気を付けて是非楽しい旅を楽しんできてくださいね♪