すっかり日本人の間でもお馴染み、東南アジアの代表的な海外旅行先となったタイ。
特に首都バンコクは、大都会と伝統が入り混じる、東南アジアならではの熱気や活気が吹く街として世界中の旅人から愛されています。
そんなバンコク旅行で欠かせないのが「お寺巡り」です。バンコクには至るところにお寺があり、その中でも「ビッグ3」と称されるのがワットポー、ワットプラケオ、そしてワットアルンです。
ワットアルンは「暁の寺」と呼ばれ、三島由紀夫の小説の舞台になったことでも有名です。今回は、そんなワットアルンの魅力についてご紹介します。
もくじ
1 ワットアルンとは?
1.1 ワットアルンの歴史
ワットアルンは1351年〜1767年のアユタヤ王朝時代に建てられました。はっきりと何年に建てられたというのは明確になっていないようですが、14世紀には既にあったとされています。
ワットアルンには「暁の寺」と呼ばれており、ワット=お寺、アルン=暁という意味になります。
しかし、ワットアルンが建てられた当初は小さなお寺でしかなく、ワットマコークという違う名前を付けられていたそうです。
しかし、やがてアユタヤ王朝が滅亡し、トンブリー王朝の時代が訪れ、その時にワットアルンは王室寺院となりました。王様によってエメラルドの仏様が祀られたワットアルンは、タイで最も信仰され、最も重要な寺院となりました。(その後、そのエメラルドの仏様はワットプラケオに移されました。)
1768年、ビルマ軍に占領されたアユタヤから命からがら逃げてきたというタクシン王がワットアルンに着いた時、ちょうど夜が明けたという伝説があり、そのことからタクシン王は「ワットアルン(暁の寺)」と改めたといわれています。
その後、ラーマ3世(ラーマは歴代の王様です)によってワットアルンの中央の塔が増築され、現在の姿になりました。この塔には陶器の破片のような装飾が施され、日の光を反射してキラキラと輝きます。タイを訪れるたくさんの観光客がこのワットアルンの輝きに魅了されるのです。
タイでよく利用する硬貨、10バーツにもワットアルンが描かれています。いかにワットアルンがタイを象徴するものであるかがわかりますね。
1.2 ワットアルンの営業時間
ワットアルンは有料エリアと無料エリアに分かれており、有料エリアは営業時間が決まっています。
<ワットアルン有料エリア>
営業時間:8:00〜18:00
入場料:50バーツ
※無料エリアは何時でも行くことが出来ます。
1.3 ワットアルン入場の際は服装に注意
ワットアルンに入る時には、その他のバンコクの寺院と同様に以下の服装はNGとなっています。
・ノースリーブ
・ミニスカート、短パン
・身体のラインが極端に目立つ服装
・ダメージデニム
・シースルー
・帽子(建物の中に入る時に脱ぐ必要がある)
・サングラス
・迷彩柄の服(軍人ではないのに迷彩服を着ていると、タイでは3ヶ月以上5年以下の禁錮刑に処される場合もあるそうです。神聖な場所ではさらに注意しましょう。)
敬虔な信仰を持つタイの人々にとってはとても神聖な場所ですので、敬意を持ちマナーを守って入場しましょう。
特に女性は、露出の多い格好は厳禁ですので気をつけましょう。
ワットアルン入り口付近にも服装についての注意書きがわかりやすく絵で描かれていますので、目を通しましょう。
万が一、ノースリーブでワットポー観光に行ってしまった場合は注意を受け、ワットポーにあるレンタルのストール等を借りて拝観するかたちになります。予め、ストールやショールを自身で用意しておくのもおすすめです。
帽子やサングラスは熱中症対策として大事なアイテムでもあるので、ワットアルンに入る際だけ気をつけて取るようにしましょう。
サンダルは問題ありません。建物に入る際にサンダルを含めた履物を脱ぐように指示されますのでその時は指示に従いましょう。(靴下は履いたままでも大丈夫です。)
2 ワットアルンへの行き方
2.1 電車+渡し船
バンコク最大の寺院であるワットポーの最寄り駅・MRT(地下鉄)のサナムチャイ駅まで行きましょう。
サナムチャイ駅からは歩いて約5分程でワットポーに到着します。
地下鉄から地上に上がると、多くの人がワットポーに向かって歩いているため、その流れについていけばすぐ辿り着くことが出来ます。
もし人気が無い場合でも、地上に出ると地図もあるため大丈夫です。
そして、ワットポーのすぐ近くにター・ティアン船着場があります。そこから渡し舟に乗りワットアルン船着場で降りると目の前にワットアルン寺院が広がります。ちなみに渡し舟の料金はたったの3バーツです!
2.2 タクシー
タクシーはバンコク市内ならどこからでも一番楽に行ける方法で、Grabアプリを利用してワットポーに行くのが一番簡単で安全です。
タイのタクシーは日本に比べてかなり安価で、場合によっては電車を利用するよりも安上がりです。
特に、お友達や恋人、家族など複数人で利用するとさらにお得になります。
しかし、観光地周辺や通勤ラッシュ・帰宅ラッシュの時間帯はなかなかGrabタクシーが捕まらない場合もあります。
街中でノーマルにタクシーを捕まえるのも手ですが、街中でタクシーを捕まえる際の注意点です。(他の記事でも再三お伝えしていますが、なかなか無くならないんですよね…)
2.3 トゥクトゥク
せっかくタイに来たのだから、トゥクトゥクに乗ってみたい!と思われる方もいらっしゃると思います。
しかし、現在ではトゥクトゥクが一番に値段交渉が難しい乗り物です。いきなりトゥクトゥクに乗ってしまわず、必ず料金を確認してから乗車するようにしましょう。
特に、大きなホテルや有名観光地で客引きしているトゥクトゥクはぼったくりが当たり前なので気をつけましょう。
トゥクトゥクドライバーは、こちらが弱いとわかると強気に責めてきます。トゥクトゥクドライバーの勢いに負けず、こちらも堂々と行きましょう!
少し多めに払って、タイの風を感じよう!というくらいの気持ちで乗るのが良いかもしれません。
2.4 徒歩+渡し船
もし、タイ・バンコク旅行の宿泊先がバックパッカーの聖地であるカオサン通り周辺であれば、徒歩で行くことも可能です。
まずはバンコク最大の寺院であるワットポーを目指しましょう。カオサン通り周辺からは10分から15分程で行くことが出来ます。
そして、電車での行き方でもご紹介したように、ワットポーのすぐ近くにティアン船着場があります。
そこから渡し舟に乗りワットアルン船着場で降りると目の前にワットアルン寺院が広がります。ちなみに渡し舟の料金はたったの3バーツです。
特に日中は暑いので、水分・塩分補給や日焼け止めなどを忘れずに歩いて行きましょう。
3 ワットアルンの夜景が見える!おすすめホテル
3.1 Arun Residence(アルンレジデンス)
【出典:公式HP】
アルンレジデンスは、ワットアルンの夜景が見えるレストラン「ザ・デッキ」があるホテルとしてとても有名です。
また、このホテルの4階にはバーもあり、ワットアルンを含めたチャオプラヤー川の美しい夜景を一望することが出来ます。
<値段>
一泊3000バーツ前後〜(時期により変動あり)
3.2 Sala Arun Hotel(サラ・アルン・ホテル)
【出典:公式HP】
サラ・アルン・ホテルは、上記でご紹介したワットアルンの夜景が見えるレストラン「ザ・デッキ」の姉妹店である「ビター・デッキ・レストラン」がよく知られているホテルです。
このホテルもチャオプラヤー川を挟んでワットアルンが真正面に見える、ロケーション抜群のホテルです。
部屋によっては大きな木がバルコニー前にあったりしてワットアルンが見えづらいところもあるそうなので、予約の際にホテルにリクエストをしておくことをおすすめします。
<値段>
一泊3000バーツ前後〜(時期により変動あり)
公式HP:Sala Arun Hotel(サラ・アルン・ホテル)
3.3 Inn a day(イン・ア・デイ)
【出典:公式HP】
イン・ア・デイはお部屋からワットアルンが見られるデザイナーズホテルです。
このホテルは古い4階建ての建物をとてもユニークに改装しているホテルでアンティークな雰囲気が漂い、部屋内も一般的なホテルとは違った作りになっています。
川沿い側の部屋に宿泊すれば、ベッドに横たわりながら夜通し金色に輝くワットアルンを眺めることが出来ます。
<値段>
一泊3500バーツ前後〜(時期により変動あり)
公式HP:Inn a day(イン・ア・デイ)
4 ホテル予約時の注意
ワットアルンの夜景が見られる位置にあるホテルを予約する際、必ず「ワットアルンが見られる部屋」とホテルにリクエストすることをおすすめします。
どのホテルも、全ての部屋が川沿い側にあるとは限りません。
特に、タイをはじめとする東南アジアは乾季となる11月〜3月がハイシーズンとなり、世界中の旅行者が増える時期はホテルも混みやすくなるので気をつけましょう。
また、タイは日本人に人気のある旅先でもあるため、年末年始、春休み、ゴールデンウィーク、お盆などの日本の連休は日本人の観光客が大変増えます。
その時期も早めのホテル予約をおすすめします。
5 ワットアルンのホテル周辺にある穴場スポット
すべてのホテルの近くというわけではありませんが、
ワットアルンの隣を流れるチャオプラヤー川の対岸にあるナガラピロム公園という穴場スポットがあるのです。
ここは、別記事でもご紹介しておりますが、対岸にあるワットポーの夜景を無料で見れるだけでなく露店も出ているため、ちょっと食事後とかに散歩しながらまた買い食いをしたりと楽しめる場所ですので、ご紹介させて頂きました。
<公園の営業時間>
5:00〜21:00
6 まとめ
三島由紀夫の小説の舞台にもなった、日本人にも縁がある「暁の寺」ワットアルン。観光本にも必ず掲載されている、タイの首都・バンコクの代表的な風景の中に必ず存在する美しい寺院です。
ワットアルンは、日中の光の中で色鮮やかに輝く姿もとても素晴らしいですが、やはり「暁の寺」と呼ばれるほどの夜のその金色に輝く佇まいは格別です。
大都会に進化を遂げるバンコクの中で、歴代の王たちの想いが詰まった姿をそのまま残し、タイの人々から愛され続ける寺院であるワットアルン。その姿をずっと見ていると、遠い昔、アユタヤ王朝の風を少しだけ感じられるかもしれません。